こんにちは。
Surface&Architectureメンバーの気になる本や最近読んだ本をピックアップしてご紹介していくシリーズ「Surface&Architectureの本棚」です。

梅雨まっただなかですが、みなさまいかがお過ごしですか?
雨や湿気の多い日はちょっと憂鬱、という方も多いのでは。
今回は「雨の日に読みたいおすすめ本」を3冊ご紹介します。
たとえばこんな人におすすめです↓

  • じめじめ気分から解放されたい人
  • 生活からちょっとだけ離れてスカッとしたい人
  • 雨の日を利用してじっくり思考を深めたい人

じめじめ気分から解放されたい人

文字、もじ、モジ、moji。表情豊かな日本語は、その豊かさゆえにデザイン対象として向き合った際には、非常に神経を使わなければならない、繊細な言語だと思います。
この本は、グラフィックデザイナー高橋善丸(たかはしよしまる)氏の主に日本語によるロゴデザインの実例を、見開きにひとつひとつ解説付き(!)で紹介している贅沢な本。筆者の作品(あえて作品と呼ぶ)を見ていると、不思議と温度を感じ、ときには音すら聞こえてきそうな感覚を覚えます。二次元の創作物なはずなのに、商品やプロダクトの一部となることでさらに空間的な奥行きを含み、文字が活き活きと踊る。本のタイトルにもあるように、ページをめくるたび、「ここちいい」空気をまとった文字が表情豊かに出迎えてくれます。
(永山)

生活からちょっとだけ離れてスカッとしたい人

リアル9割、ファンタジー1割の作品が好きです。
作品中の物理法則や人の感情に無理がないけども、「ほんの少し」だけ空想の設定を紛れ込ませる。それによって自然にその世界についての思考を巡らせられるようなバランスが成立し、自分を物語の世界に迷い込ませてくれます。
この「ヤオチノ乱」で「ほんの少し」の空想の設定は「現代にまだ忍者がいる」という点。もし忍者が現代に残っていたとしたら、どういう立場でどんな仕事っぷりを披露してくれるのか。そこには忍者モノでよくあるような、空を飛んだり、炎を吐いたりする忍者はおらず、けれども「なるほど!」と思わせられる隠密術で、この東京のどこかに現代の忍者がいる存在感を感じさせてくれるのです。
(土田)

雨の日を利用してじっくり思考を深めたい人

本書ではイノベーションの方法には2種類あるとしています。
「どのように」に着目し、問題の解決・改善に軸を置いた「デザイン思考」と、「なぜ」に着目し、新しい価値の創造をすることで問題を再定義する「意味のイノベーション」です。本書では後者を扱い展開していきます。
昨今のモノゴトが溢れる世の中において、人々はより自分にとって「意味のあるもの」を探し求めるようになり、商品やサービスなどを選択する視点が変化してきています。そんな状況の中、ドラスティックなイノベーションを起こすために必要なのは、人々にとってより「重要な新しい価値」を想像することであると著者は主張します。
これからも激化する差別化の競争から離れ、長く生き残る商品・サービスを生み出すために必要なのは、それを実践するための「深い思考」かもしれません。 本書でより長く愛される商品を生み出すヒントを見つけてみてください。
(岩田)