こんにちは。 「Suraface&Architectureの本棚」では、Surface&Architectureのメンバーが、これからの体験や新しいデザインを考えるときに「これぞ」と思う一冊を紹介しています。
こもりがちな時間が続きますが、暖かくなる季節を前に、もう一度動き出すエネルギーを溜めたいところですよね。
今回は、前回に続いてメンバーの「わたしを変えた一節/一冊」をご紹介します。パワフルな言葉たちによって、みなさんのエネルギーが充填されたらと思います。

今も心に留まる「大切なこと」を教えてくれた3冊

2回目の今回は、自分の考えを変えたにとどまらず、それを読んでから「大切なこと」として今での心の中に留まっているという、そんな本が集まりました。
私を変えた一節

「すべてに、丸をつけよ。
とりあえずは、そこから始めるのだ。
そこからやがて生まれて行く沢山のばつを、ぼくは、ゆっくりと選び取って行くのだ。」

ー『ぼくは勉強ができない』
 
主人公はサッカー好きの17歳高校生。「最初に言っとくけど、ぼくは勉強ができない」と公言する、でも女性にはよくモテる男の子の話です。当時中学生だった私がなぜか夏休みの読書感想文に選んだ一冊。
今思えば、内容はセックスの話もあるし校則違反の話もあるしで全く中学生の読書感想文の題材には向かないのだけれど、思春期真っ只中の私にとって秀美くんの行動は、普段自分が感じていること(でも言葉にできない、あるいはしようとも思っていないこと)が目の前で文章になっている!と思うほどには感情移入させてくれ、案の定?当時の学年主任でもあった担任からは私の書いた宿題は、題材から選び直せと怒られました。
こころにささった言葉はたくさんあった気がしますが、上述のひと言は、昔からコンプレックスのかたまりだった私にとって、少しだけ救いとなったような気がしています。
蛇足ですが、秀美くんのおじいちゃんのセリフだったか、 秀美くんが秀美くんらしからぬ失敗をした際に彼に投げかけた言葉 『そんなつもりじゃないのが一番悪い』 これもなにげに人間関係に悩める10代女子には自戒の念として刻まれてました(笑)。 (永山 アートディレクター/グラフィックデザイナー )
 
私を変えた一節

「子どもの心を 一生のあいだ
自分の中に持ち続けるということは
知りたいという好奇心や
わかる喜び
伝えたいという気持ちを
持ち続けるということ」

ー 『ムナーリの言葉』
いつまでも楽しく、創造的で、魅力的な人間でいるためには大事なことだと思いました。ただこれのちょっと難しいところは、中身が子供のままの大人になってしまわないよう大人としての自覚を持つ、という一見矛盾するような観点を勘違いしないよう、同時に併せ持つ必要があるというところですね。 (岩田 / インターフェース・デザイナー)
私を変えた一節

「楽に、軽く、スムーズに、早く、と考えるんだ。
まずは”楽に”から。
それだけ身につければ、まあ何とかなる。」

ー『BORN TO RUN 走るために生まれた』
数年続けていたランニングがだんだん面白くなくなっていた頃にこの本を読んで走り方が変わった。タイムを気にしてがんばるのをやめた。楽に走るように変えたら長い距離を走るのが楽しくなった。 そしてしばらく経った頃、あれ、これひょっとして仕事や普段の生活でも同じかも、と思い至った。構えすぎず、力まず、まずは"楽に"から。それだけ身につければ何とかなる。いや、たしかに。 (安田  / インフォメーション・アーキテクト)
  いかがでしたか?
本を読む時間が取れそうな時、誰かにとって大切なことを教えてくれた本を選んでみるのも、よい選択かもしれません。

また次回の記事でお会いしましょう!