Exploratoriumに関する余談

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本を読んでいてら、前にエントリーした、Exploratorium関連のことが出て来た。

キュリアス・マインド という書籍で、著名な科学者たちが「なぜ科学者になったのか」、幼少期を振り返りエピソードを紹介している。利己的遺伝子のリチャード・ドーキンス、多様化世界のフリーマン・ダイソン、iRobotのロドニー・ブルックスなど見おぼえのある科学者の名前がいくつかある。

この書籍の魅力は、いろいろな科学者の啓発的な言葉や、エピソードそのものの面白さの他に、この書籍自体の価値をゆるがすような主張が含まれるところだ。スティーブン・ピンカー(心理学者)は「過去の記憶」がいかにあいまいで、「創造」されるものであるかを語り、自伝を鵜呑みすことに注意を喚起している。そして、他の科学者がこうした主張を意識しながら、自身の自伝を書いているのは面白い。

書籍の紹介が長くなったが、この書籍の中にExploratoriumの創立者の話が、ホントにすこしだが書かれている。創立者は、フランク・オッペンハイマー。「原爆の父」と呼ばれるロバート・オッペンハイマーの弟にあたる。ロバート・オッペンハイマー(兄)は、その後核兵器反対の立場をとっていたが、弟がアメリカ共産党のメンバーであったことから、FBIの監視下に入り公職も解かれたそうだ。Exploratoriumの「APE」を読んでいると、来館者に対して「博物館が権威的であってはいけない」ということを彼らがとても大切にしていることが良くわかる。少し不思議な程に、来館者がある現象に独自の関心を抱き、自ら現象の背後の理由を見つける過程に固執しているように思えたのだが、上のオッペンハイマー兄弟の話を知りとても頷けた。

強烈な意思のもとに生まれたもExploratoriumを勝手に想像し、妙に感動してしまったのだった。

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